ほのか | 留学を夢見る大学生の日記

4か国に留学した大学生が、経験や現在や夢や日々のことを残していく日記

ウクライナの郵便ノヴァポシュタ(Nova Poshta)が働きすぎていて怖い話

はじめに

悲しいニュースばかりの国際情勢を見るとこんな悠長なことは言っていられないが、ウクライナの大学院に留学するのは悪くないと思う。歴史があり、方言があり、美味しい食べ物(とはいえ、ウクライナ料理を食べたことはない。あくまで写真を見ているだけだ)がありそうな国でなら、勉強が楽しいだろう。ウクライナに留学したいと思うように(というか、行ったことのない国に関しては何も判断できないので、留学に興味を持った、くらいの段階だが)なったきっかけは、ウクライナ国営の郵便局ウクルポシュタが可愛くて愛らしいなと思うようになったからだ。その話は、またどこかでするつもりだ。

ウクライナの郵便事業No.2のノヴァポシュタ(Nova Poshta/Нова пошта)

ノヴァポシュタは、ウクライナの郵便事業を行っている、民間の会社だ。ウクルポシュタは国営のため、料金が比較的安く(ウクライナから日本までの葉書は100円程度で届く。イタリアから日本だと300円はするのだから、安いと言えるだろう)、ノヴァポシュタはそれよりは高い料金を取るが、荷物を紛失するリスクは少ないし、早く届けてくれる、とウクライナのひとたちに言われた。

ヨーロッパ各国に住むウクライナのひとがウクライナらしさを感じられる場所、ノヴァポシュタ

ノヴァポシュタはヨーロッパに住むひとたちに、ヨーロッパ各国に郵便局を持っている。最近イタリアのミラノにもノヴァポシュタの郵便局ができた。イタリアはウクライナのひとたち(避難民に限らない)が多く住んでいるのがその理由らしい。日本だったらいくら日本人や日系人が多く住んでいてもアメリカや中国に日本郵便の郵便局があるという話は(少なくとも私は)聞いたことがないが、ウクライナのひとたちのためにノヴァポシュタはヨーロッパ各国にサービスを提供しているのだ。

ウクライナの歴史は、アジア寄りにありヨーロッパの東にあることから、強い国に虐げられてきた歴史といえるかもしれない。とくにロシア革命以降はそんな印象が強い。その中で多くのひとたちが海外に移り住んだ。イタリアもウクライナのひとたちを多く抱える国のひとつだ。遠い国で祖国を想いながら暮らしているウクライナにルーツを持つひとたちが、ウクライナ人としての誇りを取り戻せる場所、そして自分はウクライナに帰る場所があり、いつかそこに戻れるんだと思える場所、そのひとつがヨーロッパ各国にあるノヴァポシュタであることは想像に難くない。

ウクライナのジャーナリストのひとと culture exchange をしているが、彼女が繰り返した言葉がある。「私達は決して黙らない。声を上げることで世界が変わるのだと、日本の若者にも感じてほしい」

ノヴァポシュタの従業員が過労死しないか怖くなった話

話がそれた。

私は「あなたたちを応援しています」といった趣旨だったと思う、なんらかのコメントをノヴァポシュタのFacebookページにしていた。日本時間の朝は、ウクライナの深夜だ。だからいつも私は朝起きてなんらかのコメントを推しに残し、ヨーロッパが朝を迎えた頃(日本の午後)に返事が来るのを待っている。急ぎでないコメントは、埋もれてしまわないように、ヨーロッパ時間の朝にしている。

そんなある日、私が日本時間の朝、つまりウクライナの深夜にコメントをしたところに、ノヴァポシュタが「いいね」を押したと通知が来た。どう考えてもその「いいね」を押した時間は、何度計算してもウクライナ時間の深夜1時になるはずだ。先ほども述べたように、ノヴァポシュタはヨーロッパ中に支店がある。ただ、日本にはまだ来ていないし、ヨーロッパ域外にはないと思う。しかも私はウクライナ語を使って書いたので(悲しいことに自動翻訳だが、ウクライナ語は勉強している)、ウクライナ語が読めるひと(ウクライナ人と近似できるだろう)が手動で「いいね」を押しているということになる。ちなみに、「いいね」が1日遅れることもあるなどの理由で、自動botを入れているとは全く考えられない。

つまり答えはひとつ。ノヴァポシュタの従業員は、深夜までウクライナのどこかで働いているということだ。

ウクルポシュタは、ウクライナ時間で朝になったら、コメントや「いいね」をくれる。

ウクライナのひとがノヴァポシュタの働きすぎについて言ったこと

「彼らは高い給料を貰っているし、仕事をしている従業員なのだから、遅くまで働くのは当然でしょう。私達は土日でも夜遅くでも普通に働くよ。なにをそんなに驚いているの?」

いやいや待ってくれ。日本ではあれだけ残業だの36協定だの過重労働だの過労死だのと過労自殺だのといった言葉が話題にならない日はないのに、ウクライナにはそのような法律はないのだろうか? あったとして、それが守られていないなら、それは日本の汚点をコピーしてしまったことになる。

「過労死? そんなことしないよ。ただ働いているだけでしょう」

だめだ、過労死という言葉がこのままでは日本語ではなくウクライナ語だと誤解される日が来る。